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最近見た映画の話2 恋慕編

映画

 どうもこんばんは、死角からの一撃です。

 今日も今日とて、最近見た映画の話をします。現在公開中の最新映画だったり、微妙に古い映画だったり。

 具体的には『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』と『ザ・レイド』と『クロニクル』の三本です。

 

 

・『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』


映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』予告編【HD】2016年11月23日公開

 ハリーポッターシリーズ最新作。

 ハリーポッターシリーズについて、元々僕は世代がドンピシャだということもあり、小学校高学年から、中学を卒業するくらいまでの間は、かなり熱心に作品を追いかけていた。

 『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の原作である『幻の動物とその生息地』は、ハリーポッターシリーズに登場する魔法学校・ホグワーツで使われている生物学の教科書という体裁をとった一冊である。

 ハリーポッター本編に実際に登場する(あるいは登場しない)動物たちの生態を簡単に解説するというその内容で、事典類や設定資料集が好きな自分は、大変魅了された記憶がある。

 そういうわけで、映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』についても、結構楽しみにしていた……のであるが……。

 

 まず最初に、映画の良かった点から記しておこう。

 魔法動物のデザイン(一部を除く)や、それを再現するCGの迫力、これは良かった。

 特に嵐を呼ぶでかい鳥(サンダーバード?)とか、カバやおっさんに欲情するサイみたいな猛獣は、シンプルにかっこよかったし、ニフラー(金貨を集める穴熊みたいなやつ)みたいな小動物が流麗に動く様子は見ているだけで非常に楽しい。

 それから、主要登場人物の中で唯一のノー・マジ(非魔法使い)であるジェイコブさんのキャラクターも、非常に可愛らしくてGOODだった。

 ジェイコブさんは太ったおじさんなのだが、ちょこまかと動き回ったり、常識の通じない魔法使いの世界に慌てふためいたり、小動物にも劣らぬ愛らしさを終始振りまいている。

 なので、太ったおじさんに萌えることを期待して見に行く分には、なかなかいい映画なのではないだろうか。

  えーと、良かった点は以上です。

 はっきり言って、上記の二点以外については、僕はかなり酷い映画だと感じた。

 

 圧倒的に大きくて致命的な問題は、魔法動物の描写があまりに少ないということ。

 本作は『幻の動物とその生息地』の映画なのだから、当然観客は(というか僕は)現実には存在しない、魔法動物の姿を見たくて劇場に足を運んでいるわけである。ドラゴンとかなんかやたら強そうな怪物が、縦横無尽にNYの街を駆け巡ったり、特殊能力を持ったふわふわもこもこした謎の生物が巻き起こす珍騒動とか、そういうものを期待するわけだ。

 ところが、約2時間という上映時間の大半は、魔法協会と、悪の魔法使い、魔法使い追放を目指すカルト教団の小競り合い、およびそれに翻弄される主人公たちの姿を描くために費やされ、魔法動物が画面上に出ていたり、物語の中心に存在している時間は驚くほど少ない。

 正直、魔法使い同士の争いとか、魔法使い同士のラブロマンスとか、そんなものを見たいんじゃないんですよ、こっちは。そんなものはハリーポッター本編でやればよろしい。

 もっとふわふわもこもこしたやつとか、なんか爬虫類っぽい恐ろしい生き物とか、そういうのを見たくてこの映画を見ているんですよ。せっかくの美麗なCGが、これではあまりにもったいない。

 それから、主人公のニュートは、後に『幻の動物とその生息地』を書くことになる、魔法動物の専門家で、常に魔法動物を連れているという設定なのだが、その連れ歩き方もいただけない。

 ニュートは大型トランクを常に携行していて、その中に広がっている四次元空間的なもので魔法動物を飼育しているのである。つまり、大抵の場面で、魔法動物はトランクの中にいるため、画面上には映らない。

 一応アニメ版ポケモンピカチュウが如く、常にトランクの外に出している動物が一匹存在するが、そいつは緑色のナナフシみたいなやつという地味な外見で、おまけに大抵の場合主人公の上着の下に隠れているので、あまりビジュアル的な面白さはない。残念である。

 

 もう一つ、上記に関連して、魔法動物のうんちく話(ユニコーンは処女を好むとか、妖精には如何な種類が存在するかとか、そういう類の話)みたいなものもあんまりなくて、これまたがっかりした。

 ニフラーは金ピカのものを好むとか、なんかデカい蛇みたいなやつを捕まえる方法とか、まったくないわけでもないんだけど、その分量は決して多くない。

 (おそらく魔法界でも有数の)魔法生物の専門家を主人公にしておいて、その専門性を発揮するシーンがあんなに少ないというのは、単純に物語の作り方として巧くないように思う。

 

 あと、魔法動物のCGについては褒めたけれど、ボスキャラとでも言うべき、とある魔法生物の設定およびビジュアルについては、はっきり言ってどうかと思った。

(以下若干のネタバレ防止の為の反転)

 今回の映画でボスキャラ的ポジションにあたる魔法動物、オプスキュラスは、なんだかわからない黒いモヤみたいなもの、というビジュアルである。全然強そうに見えないし、カッコよくも怖くもない。こちらとしては、なんだかよくわからない以上のことを感じようがない。強さも微妙で、魔法使い数人が一斉攻撃したら死ぬというのは、しょぼいという印象を免れない。

 正体が魔力の暴走した人間という設定も、非常に萎える。主人公の魔法動物保護という立場から、そういう正体でなければならなかったのだろうけど、そうするとラストバトルは「人間VS人間」という、ハリーポッター本編と全く同じことをやってることになってしまう。せっかく魔法動物にスポットを当てたスピンオフなのだから、「怪物VS怪物」とか「怪物VS人間」という構図を見せてほしかった。

(反転終わり)

 

 魔法動物に関連すること以外にも、ストーリーが行き当たりばったりでご都合主義的すぎるとか、ジェイコブさん以外のキャラクターに好感が持てないとか、邦題が『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』だけど全然旅してなくね? とか、色々文句を言いたいことがあるが、そういうのはまあこの際どうでもいいや。

 とにかく僕が言いたいことは「魔法動物をもっと見せろ」とその一点に尽きる。

 

・『ザ・レイド

ザ・レイド (字幕版)

ザ・レイド (字幕版)

 

 インドネシア製ハードアクション。 舞台はヤクザがたっぷり棲んでいる極悪マンション。大家を逮捕するためにこのマンションに潜入した2~30人くらいの特殊部隊隊員たちを、大量の極悪ヤクザたちが迎え撃つ!!

 ヤクザと特殊部隊の殺し合い以外、特に何もないという、わりと極端な映画。だがそれがいい

 この映画では、明確に銃器>>>近接武器>素手という序列が敷かれていて、前半はとにかく銃器が強い。当たり前なんだけど、素手の人間が銃器で武装したヤクザに囲まれたら生き残れません。死にます。また、斧やナイフと言った近接武器も重要で、素手で何発も殴るより、ナイフで一刺ししたほうが圧倒的にダメージが大きい。こういうところが徹底されていて、大変好感が持てた。

 武器が強いからと言って、素手による格闘が軽視されているわけではなく、シラットという東南アジアの武術を用いた格闘シーンは、独特の泥臭さみたいなものを持ちながら、スピーディーでカッコいい。

 銃器の利便性を認めながら、「ファーストフード」のようなだと吐き捨て、ステゴロの勝負で圧倒的な強さを見せるマッドドッグさんは、本作を象徴するキャラクターだと言えよう。

 グロシーン、というか痛そうなシーンが大変多いので苦手な人は注意。大丈夫な人には超おすすめ。

 

・『クロニクル』

クロニクル (字幕版)

クロニクル (字幕版)

 

 

 いじめられっ子の少年、アンドリューはあるとき隕石っぽい謎の物体に接触して、超能力に覚醒する。アンドリューは一緒に超能力に目覚めた、いとこのマットや人気者のスティーブとともに、自ら超能力を強化していくが、やがて力に飲み込まれて暴走していく…

 友だちがいなくて、自己顕示欲が非常に強くて、キレやすくて、ちょっと仲のいい友人ができたらその友人にベッタリと依存してしまうという、そんなアンドリュー少年の姿が、自分の中学・高校時代と重なってしまい、見るのが辛かった。多分僕がアメリカに生まれていたら、あんな青春を送っていたのだろう。(超能力に目覚めることはないと思うけど)

 だから能力を暴走させて、徐々に最低のクズ野郎へと変貌していくアンドリューを見ると、なんともいえない物悲しい気持ちになってしまい、後半はずっと「アンドリュー…お…お前……もうやめるんだ……」とつぶやいていた。

 どうでもいいけど、先に『クリード』を見ていたので、どうしてもマイケル・B・ジョーダン演じるスティーヴ少年(めちゃくちゃ良い奴なんですよ、こいつ)が、アンドリュー少年をぶん殴って改心させることを期待してしまった。