『新感染』/『お嬢さん』 いま、韓国黒ロン映画が熱い!

お久しぶりです。長らくブログの更新を止めていましたが、今日9月6日は年に一度の黒ロンの日なので簡易的ではありますが、更新したいと思います。はい。

 

先日、『新感染 ファイナル・エクスプレス』を見たんですよ。


「新感染 ファイナル・エクスプレス」予告編

ソウル発、釜山行きの高速鉄道にゾンビウイルス感染者が乗り込んでいてさあ大変、みたいな話なのですが、これに登場するジニさん(演・アン・ソヒ)というキャラクターが大変チャーミングな黒ロンさんだったわけです。

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ジニさんは主人公格の一人である野球部の少年ヨングク君(演・チェ・ウシク)に先日愛の告白をしたばかり。奥手で煮え切らないヨングク君は、告白への回答を留保しているのですが、これに対してジニさんは、ヨングク君からイヤホンの片方を奪って無理やり一緒に音楽を聴いたり、「私に告白されたんだから、観念して受け入れなさいよ!」的なセリフを言ったりと、百点満点の攻撃を仕掛けてくるわけです。

とにかくジニさん、滅茶苦茶かわいいわけですよ。そんなジニさんが、ゾンビパニックに巻き込まれて、酷い目に遭って……ああ……あの野郎許さん……

ジニさん抜きにしても、この『新感染』、マ・ドンソクさんが滅茶苦茶カッコよかったり、韓国映画特有の異常な熱量で全力疾走してくるゾンビの絵面が面白かったり、とにかく必見の映画なので、みんな見ればいいと思うのですが、それはそれとして、今年はもう一作、韓国黒ロン映画の傑作があったわけですよ。

 

もちろん『お嬢さん』ですね。

 

お嬢さん(字幕版)

お嬢さん(字幕版)

 

簡単に説明すると、日本の植民地だった1939年の朝鮮半島で、豪邸に暮らす日本人令嬢・秀子(演・キム・ミニ) のもとに、新しいメイドとして少女・スッキ(演・キム・テリ)がやってくる。スッキは実は詐欺グループの一員で、秀子と詐欺師の頭領を結婚させるために暗躍する使命を持っていた。しかし、スッキは純朴な秀子にいつしか恋心を抱いてしまって…みたいな話です。

 

この映画、近場の映画館でやっていなかったので、BDで鑑賞したのですが、これがとにかく大傑作。今年見た映画の中で個人的にナンバーワン。というか、僕のオールタイムベストを更新したかもしれない作品なわけです。

 

二人の女性や詐欺師たちによる騙しあい的な、ミステリ/サスペンス描写も大変楽しいのですが、なによりもレズビアンである黒ロンの女性二人が、欺きあったり、添い寝したり、風呂に入ったり、セックスしたり、男たちに反旗を翻したりする姿が、いちいち美しくエロティック。それでいて同時に感動的なのです。

特にラストシーンについては、もう完璧というほかになく、エロス、笑い、やさしさ、爽快感、幸福感、などなど、「この世のあらゆる善なる感情」が同時に襲ってくるとでもいうか、前代未聞の素晴らしい仕上がりになっています。

 ちなみにパク・チャヌク監督は、このラストシーンについてインタビューで、

www.gizmodo.jp

「原作小説を読んでいる途中から、二人の女性が明るくセックスして(ネタバレ防止のため反転)ラストを迎えてほしいと願っていて、映画はそのとおりに作った(要約)」というようなことを言っているのですが、このインタビューを読んだとき、僕は「パク・チャヌク、滅茶苦茶信用できるな」と感動に打ち震えたものです。そういう話、僕も大好き。

 

なお黒ロン的な部分について、一応注意しておくと、二人の主人公、秀子(黒ロン)とスッキ(セミロングくらい?)は、普段は髪を結っていて、主に大事なシーンで髪を下す感じです。常に黒ロンが拝めるわけではないですが、大事なシーンではしっかり美しい黒ロンを見ることができます。大事なシーンとは要するに濡れ場ですね。はい。

 

なにはともあれ、滅茶苦茶面白いし、ナイス黒ロンな映画だから、みんな『お嬢さん』を見ようぜ(ただしR18指定なので18歳以上は)とだけ言っておきたいと思います。

 

と、そんなこんなを書いているうちにいつの間にか9月6日が終わってしまったので、ここらで更新を終えたいと思います。

いま、韓国黒ロン映画が熱い!!

村上春樹短編作品における飲酒量を調査して村上春樹の肝臓を心配するブログ その2

 こんばんは。死角からの一撃です。

 前回から少し日が開いてしまいましたが、村上春樹作品の主人公、酒飲みすぎじゃね?」問題を解決するために、村上春樹の飲酒量調査の続きをやっていきたいと思います。はい。

 今回調査するのは『村上春樹全作品1979-1989 5 短編集Ⅱ』、単行本で言うと『カンガルー日和』と『回転木馬のデッド・ヒート』です。

 

村上春樹全作品 1979?1989 全8巻セット

村上春樹全作品 1979?1989 全8巻セット

 

 

 

  • ルール
    • カンガルー日和
    •  「四月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」
    • 「眠い」
    • 「タクシーに乗った吸血鬼」
    • 「彼女の町と、彼女の緬羊」
    • 「あしか祭り」
    • 「鏡」
    • 「1963/1982年のイパネマ娘」
    • 「窓」
    • 「五月の海岸線」
    • 「駄目になった王国」
    • 「32歳のデイトリッパー
    • 「とんがり焼の盛衰」
    • 「チーズ・ケーキのような形をした僕の貧乏」
    • 「スパゲッティーの年に」
    • 「かいつぶり」
    • 「サウスベイ・ストラット――ドゥービー・ブラザーズ「サウスベイ・ストラット」のためのBGM」
    • 「図書館奇譚」
    • 「あしか」
    • 「月刊「あしか文芸」」
    • 「書斎奇譚」
    • 「おだまき酒の夜」
    • 「はじめに・回転木馬のデッド・ヒート
    • レーダーホーゼン
    • 「タクシーに乗った男」
    • 「プールサイド」
    • 「今は亡き王女のための」
    • 「嘔吐1979」
    • 「雨やどり」
    • 「野球場」
    • 「ハンティング・ナイフ」
    • 「沈黙」
  • 今回のまとめ

 

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『騎士団長殺し』発売記念 村上春樹短編作品における飲酒量を調査して村上春樹の肝臓を心配するブログ その1

  • 最初に
  • ルール
  • 村上春樹全作品 1979-1989 3 短編集Ⅰ』
    • 「中国行きのスローボート」
    • 「貧乏な叔母さんの話」
    • 「ニューヨーク炭鉱の悲劇」
    • 「カンガルー通信」
    • 「午後の最後の芝生」
    • 「土の中の彼女の小さな犬」
    • シドニーのグリーン・ストリート」
    • 「納屋を焼く」
    • 「蛍」
    • 「めくらやなぎと眠る女」
    • 「踊る小人」
    •  「雨の日の女#241・#242」
  • 今回のまとめ

 

最初に

 こんばんは、死角からの一撃です。長らくブログを放置していました。お久しぶりです。

 

 村上春樹の新作長編『騎士団長殺し』が発売されましたね。

 僕は高校生のころに『羊男のクリスマス』を読んで以来、村上春樹のファンをしていますので、これから読む新作も、楽しみにしています。

 そんな僕が、長い間、非常に心配している問題があります。

 すなわち、村上春樹作品の主人公、酒飲みすぎじゃね?」問題です。

 ご存知の方も多いと思いますが、村上春樹作品の主人公、特に初期作品の主人公は、ビールを中心にやたらと酒を飲みます。昼間から当然のような顔をして、何本も缶ビールを飲んだりします。

 たとえばデビュー作である『風の歌を聴け』には、以下のような文章があります。

一夏中かけて、僕と鼠はまるで何かに取り憑かれたように25メートル・プール一杯分ばかりのビールを飲み干し、「ジェイズ・バー」の床いっぱいに5センチの厚さにピーナツの殻をまきちらした。

 25メートル・プールの容量を25m×12m×1.2m=360㎥=36万リットル、一夏を7月と8月の合計60日とすると、『風の歌を聴け』の「僕」と鼠は1日でそれぞれ3000リットルものビールを飲んだ計算になります。500ml缶に換算すると、1日で6000本。350ml缶なら8571本分となります。

 

風の歌を聴け (講談社文庫)

風の歌を聴け (講談社文庫)

 

 

 一夏で25メートル・プール一杯分のビールというのはさすがに比喩でしょうが(たぶん)、これ以外にも『風の歌を聴け』には大量の飲酒描写がありますし、このほかの小説でも、村上春樹作品の主人公たちは、読者が「こんなに酒飲んで肝臓大丈夫かな?」と心配するくらいに、とにかく酒を飲みまくります。

 作者と作品の主人公が別人だということはよくわかっているつもりですが、それを踏まえた上でも、「村上春樹の飲酒感覚どうなってるんだろう?」「村上春樹の肝臓大丈夫かな?」と心配になってしまうくらいに、村上春樹作品には飲酒描写が多いわけです。

 

 さて、ここからが本題です。

 村上春樹作品の主人公の飲酒量が多いのはよく知られた事実ですが、それでは具体的にはどれくらい飲酒しているのでしょうか?

 気になって簡単に調べてみましたが、村上春樹作品における具体的な飲酒量について書かれた文献は、残念ながら見つかりませんでした。

 他人が調査していない以上、自分で調査するしかありません。

 というわけで、今回の記事では、村上春樹の小説に書かれた飲酒描写を調査して、その(おそらく膨大な)飲酒量を正確に把握したいと思います。そして、正確な飲酒量を把握したうえで、改めて主人公たちの肝臓を心配するのが、この記事の目的です。

 なお、調査対象は短編小説に絞り、長編は対象外とします。これは単純に、僕が使える時間と手間の問題のためです。いつか、長編作品における飲酒量についても調査したいと思います。

 分量が多いので、何回かに分けて更新していこうと思います。今回は第1回目、『村上春樹全作品 1979-1989 3 短編集Ⅰ』に収録された(単行本で言えば『中国行きのスローボート』、『蛍・納屋を焼く・その他の短編』に収録された)短編の飲酒量を調査していきたいと思います。

 

村上春樹全作品 1979?1989 全8巻セット

村上春樹全作品 1979?1989 全8巻セット

 

 

 

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『累』大人買いした

 昔から、変身というものに、心動かされてきた。

  僕の最も古い記憶は、実家の居間でウルトラマンタロウのビデオを見ていたときのものである。多分、四歳か五歳だったと思う。

  兄と一緒にこたつに脚を突っ込んでみていたそれは、第31話「あぶない!嘘つき毒きのこ」という話で、謎の毒キノコを食べた人間や、キノコ型怪獣マシュラの放出した毒液を浴びた人間が、次々とキノコ人間になってしまうという話であった。多分元ネタはマタンゴ

 

 大人になった今、改めて見返してみると、全然怖くもなんともない――むしろ突っ込みどころ満載で、コント・コメディっぽい雰囲気さえある――話なのだが、幼い僕にとっては、人間がきのこ人間になるという描写が、恐ろしくてたまらなかった。自分もきのこ人間になってしまうのではないかという恐怖から、中学に入学するくらいまで、まともにキノコを食べることができなかったくらいだ。

 同じくウルトラシリーズで、ウルトラセブン第2話『緑の恐怖』という話も印象に残っている。これに登場する植物型宇宙人ワイアール星人は、人間を自分たち同じワイアール星人に変えてしまうという能力の持ち主であった。『緑の恐怖』を見た幼い僕は、マシュラの時同様、自分もワイアール星人に変身してしまうのではないかと恐怖に打ち震えたものだ。

 

 しかし、変身は僕にとって恐怖の対象であると同時に、ひどく魅力的で蠱惑的なものでもあった。

 子供のころは、ウルトラマン仮面ライダーといった変身ヒーローに人並み以上に憧れを抱いていたし、手塚治虫の『ふしぎなメルモ』の、子供から大人に変身するシーンに対し、異常なまでにエロチックなものを感じ取ったこともよく覚えている。

 中高生のころに読んだ小説は、中島敦の『山月記』や芥川龍之介の『白』*1といった変身を題材とした物語ばかり記憶に残っているし、大学の卒業論文で扱ったのはカフカの『変身』だった。

 なによりTSF。僕がTSF(性転換を題材としたフィクション作品)を偏愛していることは機会があるたびに触れていることではあるが、TSFというのは言うまでもなく、変身を主体としたジャンルである。

 

 さて、自分語りはこれくらいにしておいて、本題に入ろう。

 先日、『累』(松浦だるま講談社)を一気読みした。これもまた変身というものを題材とした作品である。

 

累(1) (イブニングコミックス)

累(1) (イブニングコミックス)

 

 

 『累』は様々な場所で絶賛されているのを見て、長い間読みたいなあ、読まないといけないなあと思いながら、なかなか手を付けられずにいた漫画であった。

 

 しかし、最近読んだ料理マンガ『めしにしましょう』(小林銅蟲講談社)

  が滅茶苦茶面白くて、この漫画が『累』の制作現場を(ある程度)モデルにしていると聞き、ついに『累』1~10巻のkindle版をまとめて購入することにしたわけである。

 

*1:白犬が黒犬に変身してひどい目にあったりする話

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最近見た映画の話 ポッピンQ編

 アニメ映画『ポッピンQ』を公開初日に見てきた。


劇場アニメ『ポッピンQ』予告映像

 

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最近見た映画の話2 恋慕編

 どうもこんばんは、死角からの一撃です。

 今日も今日とて、最近見た映画の話をします。現在公開中の最新映画だったり、微妙に古い映画だったり。

 具体的には『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』と『ザ・レイド』と『クロニクル』の三本です。

 

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愛と怒りの『ぼくは麻理のなか』感想(ネタバレあり)

 長い間、読もうと思っていたが、なんだかんだで読んでいなかったTS漫画『ぼくは麻理のなか』をようやく読破した。

 TSF好きとしては、少々評価に困る作品であった。

 たしかに、TSFとして優れた部分はあるのだが、同時にTSFとして、とある重大な、看過できない欠点も抱えているのである。

 以下、僕の個人的な感想を記しておきたい。

 ただし、この作品を語るにあたって、ラストの展開についてはどうしても触れざるをえなかったので、本記事には盛大なネタバレを含んでいる。『ぼくは麻理のなか』を未読の方はご注意されたい。

 あと「オナニー」とか「レイプ」だとかいった単語を相当な回数使っているので、そっち方面の話題がだめな人も注意して欲しい。

 

 

 

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